とっとき1号、夏の間はおやすみされます。

とっとき1号、のこと。

「このエリンギはアワビみたいですよ!」
こんな会話を何度もしてきました。
焼いても全く水分が出てきません。
油はシンプルなもの、両面をさっと焼いて
塩、だけ、もしくは、塩さえいらなかったかもしれません。
油と濃厚に絡んで表面にのった旨味、
歯で繊維を噛み切った時に
口の中にじゅわっと広がる、きのこのスープ。
このエリンギは、あいち伝統野菜の普及活動をされている

高木幹夫さんからご紹介いただき
圃場にも訪れる機会をいただいたのですが、
他の古来種野菜と同じように
たった一人の方が作られている状況でした。
どのような仕事でもそうですが
栽培する技術というのは
その人にしかわからない、
手(身体全部)の感覚の中にあり
その背景に様々な環境が絡んでほどけず

何度かお話を通していただきましたが
そのお気持ちは固く
今月をもって、夏の時期、栽培を休むことを決められました。
もちろん、これまでにはなかったことです。

その大きな理由は、光熱費の高騰。

何かできることがあるんじゃないかと
問い続けること、話をし続けること、
それを背負いながら
秋に復活することを願うしかありません。
とっとき1号の、多くのファンの皆様
いつもお声をかけてくださり
美味しく食べてくださり
ありがとうございます。

復活される方向になりましたら
またお知らせしますので
その時にはみんなそれぞれの場で
おいしくいただきましょう!

◉とっとき1号

日本で一番最初に栽培された、エリンギ。1990年代、その菌はフランスから愛知県森林・林業技術センターにやってきて、交配・育成されます。肉厚でジューシー!「とっておき」それがこの エリンギの名前の由来です。今では一般的なスーパーでも見かけますが、そちらは病気に強く改良されたもの。少し厚めにカットして、強火でさっと両面を焼きます。そして塩。まるでアワビをいただいているような美味しさです。一般的なエリンギよりも水分をかなり絞って栽培されているので焼いても水分が出ません。その分、味も濃く食感も素晴らしいです。

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